大規模修繕かし保険

大規模修繕かし保険

保険の概要

実施する大規模修繕工事の瑕疵を保証する住宅事業者が利用する既存住宅かし保険です。

被保険者と保険のスキーム

ハウスジーメン所定の保証書で実施する大規模修繕工事の瑕疵を保証する登録大規模修繕事業者が被保険者となります。

保険契約の内容等

保険の対象工事

中・大規模共同住宅に対する大規模修繕工事保険の対象となるのは共用部分の工事に限り、専有部分内の工事はリフォームかし保険での引受けとなります。なお、中規模共同住宅の共用部分の工事は、リフォームかし保険も利用できます。
  • ※耐震改修工事等の住棟の構造耐力性能の向上を目的とする工事を行う場合は、現行の耐震基準を満たす工事を行う必要があります。
  • ※この保険では、階数4以上または延べ床面積500 ㎡以上の共同住宅のうち延べ床面積が1,000 ㎡未満のものを中規模共同住宅、1,000 ㎡以上のものを大規模共同住宅として整理しています。

保険期間

工事完了後の現場査の適合日から10 年間です。

保険事故と担保期間

大規模修繕工事の瑕疵が原因で次の事象が発生した場合に、修補等に必要となる費用を対象に保険金を支払います。

区分保険事故事故の具体的な事象担保
期間
共通構造躯体部分が基本的な耐力性能を満たさない場合
  • コンクリートの養生不足による耐力不足
10 年間
雨水の浸入を防止する部分が基本的な防水性能を満たさない場合
  • 屋上防水の施工不良による雨漏れ
  • シーリングの施工不良による雨漏れ
給排水管路が通常有すべき性能を満たさない場合
  • 給水管や排水管の施工不良による漏水
  • 汚水管の施工不良による汚水の滞留
住宅設備の機能が失われた場合
  • 住宅設備の施工不良による機能不全
外部鉄部が通常有すべき安全性を満たさない場合
(防錆工事の瑕疵に起因するものに限ります)
  • 手すりの鉄部の錆びつき
3年間
オプション
  • 塗膜補償オプション
    塗装工事の対象となった塗膜に膨れや剥がれといった事象が生じた場合
  • 外壁の塗膜に膨れが生じた場合
  • 外壁の塗膜に剥がれが生じた場合
10 年間
  • タイル剥落補償オプション
    打診検査の対象部分を含むタイル工事の対象となったタイルに剥落が生じた場合
  • 補修を行ったタイルが剥がれた場合
  • 検査を行ったタイルが剥がれた場合
10 年間
  • 塗膜補償オプション

塗装工事を行う場合は、塗膜の膨れや剥がれといった事象を補償内容に追加することができます。オプションを利用するための塗装工事の要件は次のとおりです。

使用する塗料10 年以上の耐用年数が期待できる、ウレタン樹脂塗料やシリコン樹脂塗料、フッ素樹脂塗料、無機塗料等の塗料を使用すること
施工方法外壁材や屋根材の材質やコンディションを踏まえて適切に下地処理を行い、使用する塗料は用途や外壁材等の性質を踏まえて、用途に合った相応しいものを使用すること
  • タイル剥落補償オプション

タイル工事を行う場合は、打診検査の対象となった部分を含めてタイル工事の対象となったタイルの剥落を補償内容に追加することができます。オプションの対象となるタイル工事は次のとおりです。

タイル工事張り付けるタイルや下地の材質等を踏まえて、剥落を防止するにあたり有効なものとして大規模修繕工事で一般的に認められている工法を採用して行った、浮きの補修、張替え、撤去を含むタイル補修工事
打診検査打診棒やテストハンマーを使用して行う打診のほか、国交省の告示等で打診に代わる方法として認められている赤外線カメラやドローンといったデジタル技術を活用した方法を含む調査(国交省の告示等で工法等に応じて打診とは異なる方法による調査が認められている場合は、その方法による調査を含む)

保険の対象となる部分

工事の対象部分が保険の対象となります。外部鉄部が保険の対象となるのは、防錆工事を行った場合に限ります。

構造躯体部分基礎、基礎杭、壁、床版、屋根版といった住棟の積載荷重等を
支える部分
雨水の浸入を防止する部分屋上や外壁、その開口部の建具のほか、雨水用の排水管のうち
住棟内を貫通している部分
給排水管路敷地内に設置する給水管や給湯管、排水管等の管路
(水道事業者等が管理する部分や設備機器に関わる部分は対象外です)
住宅設備敷地内に設置する給排水設備、電気設備、ガス設備、消防設備、機械設備等の設備
(管理組合が維持管理をしない設備や、電力やガス等の供給者が管理する設備は対象外です)
外部鉄部バルコニーやテラス、屋上の手すりや柵、共用階段等の鉄部

保険金額

  • 基本保険金額(保険契約における支払限度額)

次の金額から大規模修繕事業者が選択する額となります。
(大規模修繕工事の請負金額が消費税適用前の金額で1億円を超える場合は1億円以上の金額から選択します。)

1,000 万円2,000 万円3,000 万円5,000 万円1億円
2億円3億円4億円5億円
  • 塗膜補償の支払限度額(基本保険金額に応じて適用)
1,000 万円1,000 万円大規模修繕事業者が特に希望する場合は、1,000 万円、2,000 万円、3,000 万円、5,000 万円、1億円、2億円、3億円、4億円、5億円の中から、基本保険金額以下で異なる金額を選択することもできます。
2,000 万円2,000 万円
3,000 万円以上一律3,000 万円
  • タイル剥落補償の支払限度額

次の金額のうち、基本保険金額以下で大規模修繕事業者が選択する金額となります。

500 万円1,000 万円2,000 万円

注文者による直接請求

この保険の被保険者は大規模修繕事業者ですが、次のような場合は注文者が保険金を請求できます。

  • 事故の発生時に大規模修繕事業者が倒産している場合
  • 事故の発生後、相当の期間を経過しても大規模修繕事業者が修補等を行わない場合
  • ※③の修補等は、注文者が選定した代替事業者が行います。

支払対象となる費用と一事故あたりの限度額

直接修補費用材料費や労務費等の、住棟を原状回復させるために直接必要となる費用一事故あたりの限度額なし
調査費用修補範囲や方法を特定するための費用直接修補費用の10 %
(最低10 万円で上限200 万円)
仮住まい・転居
費用
住棟の居住者が修補期間中に仮住まいを余儀なくされた場合の、仮住まいや転居に必要となる費用50 万円/戸
その他事故に関する紛争を解決するために必要な争訟
費用や第三者に対する請求権の保全費用
一事故あたりの限度額なし

支払保険金の計算式

(支払対象となる修補費用等 - 免責金額(10 万円))× 縮小てん補(80 %) + 調査費用 + 仮住まい・転居費用

  • ※注文者の直接請求の場合は、縮小てん補を適用しません。

主な免責事由

故意・重過失により生じた損害被保険者である大規模修繕事業者や、被保証者である注文者等の故意や重大な過失を原因とする
損害
外来の事由等
により生じた損害
外来の事由や天変地異
  • 洪水、台風、暴風雨、たつ巻、豪雨等の
    自然災害
  • 火災、落雷、爆発等の外来の事由
  • 地震や噴火、これらに起因する津波
地盤沈下等
  • 土地の沈下や、隆起、土砂崩れ等の事象
  • 土地造成工事の瑕疵
経年劣化等
  • 虫食いやねずみ食い、住宅の性質による結露
  • 住宅の自然の消耗(経年劣化)や、さび、
    かび、腐敗等の事象
不適切な維持管理
  • 住宅の著しく不適正な使用や維持管理
保険の対象とならない
損害
家財への波及損害等
  • 住棟以外の家財が壊れたことによる損害
  • 住棟や家財等が使用できなくなったことによる損害
住宅設備の事故の波及
損害
住宅設備の事故に起因するその他の設備や住棟の損壊
事業者が責任を負わない瑕疵に起因する損害注文者に起因する瑕疵不適当と指摘を受けたうえで注文者が採用した
設計施工や資材の瑕疵
締結後の改修工事の瑕疵保険契約の締結後に行われた修補を含む工事の
瑕疵

紛争処理に関するサービスの利用

大規模修繕事業者と注文者は、大規模修繕工事に関するトラブルが発生した場合に次のサービスを利用できます。

電話相談住まいるダイヤルを利用して、一級建築士の資格を持った相談員に相談できます。通常窓口はナビダイヤルですが、保険付き住宅専用のフリーダイヤルを利用できます。
専門家相談弁護士と建築士に対面で相談できる事前予約制のサービスを利用できます。(相談時間は1時間で、原則無料)
紛争処理住宅紛争審査会による裁判外の紛争解決手続き(ADR)を利用できます。手続きは「あっせん」、「調停」、「仲裁」から選択できます。

紛争処理等の詳細はこちらから

保険の申込手続き

保険の申込手続きの流れ

保険の申込みは着工のタイミングで行います。保険証券は現場検査の適合後に発行されます。

保証と保険の概要説明

大規模修繕事業者は「概要説明書」を使用して注文者に保証の概要と保険の内容のうち注文者に関わる部分の説明を行い、契約内容確認シートに記名押印を取り付けます。概要説明は請負契約のタイミングで行うことを推奨します。

  • 保証と保険の概要説明には、ハウスジーメンのホームページで公開している概要説明動画を利用できます。
  • 概要説明動画には、「概要説明書」右上の二次元バーコードからスマートフォン等で直接アクセスできます。

保険の申込み

保険の申込みは、着工のタイミングでハウスジーメンのポータルサイトから行います。申込みは、現場検査の日程調整に支障のない時期であれば着工後になっても構いません。

現場検査

ハウスジーメンは工事完了後(足場を敷設する場合はその撤去前)に現場検査を行い、施工状況を確認します。

保険の対象となるその他の工事と合わせて
給排水管路や住宅設備の更新や新設を行う場合
該当工事のうちいずれかの工事の完了時
耐震改修工事等の
住棟の構造耐力性能に関わる工事を行う場合
該当工事のうち最下階の工事の完了時

保証書の交付

大規模修繕事業者は注文者に「保証書(指定書式)」を交付します。申込みの受理時に手続きで使用する保証書をハウスジーメンから提供しますので、申込みまでに保証書を作成している場合を除き、提供を受けたものを使用してください。

保険証券の発行

現場検査への適合後保険証券発行します。

WEB証券
  • 大規模修繕事業者が希望する場合は、保険証券をポータルサイト上でWEB証券として発行します。
  • 郵送に要する時間を待たずに発行後すぐに保険証券を受け取れます。
  • 保険証券は、保険期間中いつでもポータルサイトから閲覧できます。
  • 注文者に提供する付保証明書は、ダウンロードした電子ファイルでもOKです。
  • ※手続きに不備がある場合は、「保険証券」は不備解消後の発行となります。また、大規模修繕事業者がハウスジーメン所定の与信条件を満たさない場合は、保険証券の発行は保険料の支払いの確認後となります。

事業者登録

この保険を利用するには大規模修繕事業者登録が必要です。
大規模修繕事業者が建設業許可を受けていない場合は、次のいずれかの要件を満たして、大規模修繕工事の遂行能力があることが認められることが登録の要件となります。

大規模修繕工事の業務実績
(いずれか)
過去2年間に5件以上の業務実績があること
2年以上の期間に5件以上の業務経験のある経験者が在籍していること
  • ※構造躯体の新設や撤去を伴う大規模修繕工事を行うことを前提とする場合は、建設業許可が必須です。

大規模修繕事業者登録は有償で、所定の手数料が掛かります。また、登録の有効期間は1年間で、満了後に登録を継続するためには更新手続きが必要です。

提出書類

申込時の提出書類は以下のとおりです。

共通
(施工図面等を作成しない場合は、★の書類は提出する 平面図と立面図に工事内容を記載することで構いません)
現地案内図
平面図と立面図
★工事の対象箇所と内容が分かる施工図面等の資料
請負契約書類
契約内容確認シート
(指定書式)
構造耐力性能に関わる工事を行う場合に必要となる書類新耐震診断基準等を満たしていることが確認できる書類
お問合せ先

ハウスジーメン 受付センター

TEL 03-5408-8486