大規模修繕かし保険
保険の概要
実施する大規模修繕工事の瑕疵を保証する住宅事業者が利用する既存住宅かし保険です。
被保険者と保険のスキーム
ハウスジーメン所定の保証書で実施する大規模修繕工事の瑕疵を保証する登録大規模修繕事業者が被保険者となります。
保険契約の内容等
保険の対象工事
中・大規模共同住宅に対する大規模修繕工事 | 保険の対象となるのは共用部分の工事に限り、専有部分内の工事はリフォームかし保険での引受けとなります。なお、中規模共同住宅の共用部分の工事は、リフォームかし保険も利用できます。 |
- ※耐震改修工事等の住棟の構造耐力性能の向上を目的とする工事を行う場合は、現行の耐震基準を満たす工事を行う必要があります。
- ※この保険では、階数4以上または延べ床面積500 ㎡以上の共同住宅のうち延べ床面積が1,000 ㎡未満のものを中規模共同住宅、1,000 ㎡以上のものを大規模共同住宅として整理しています。
保険期間
工事完了後の現場査の適合日から10 年間です。
保険金額
次の金額から申込者が選択する額となります。
(大規模修繕工事の請負金額が消費税適用前の金額で1億円を超える場合は1億円以上の金額から選択します。)
1,000 万円 | 2,000 万円 | 3,000 万円 | 5,000 万円 | 1億円 |
2億円 | 3億円 | 4億円 | 5億円 | - |
保険事故と担保期間
大規模修繕工事の瑕疵が原因で次の事象が発生した場合に、修補等に必要となる費用を対象に保険金を支払います。
保険事故 | 事故の具体的な事象 | 担保 期間 |
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構造躯体部分が基本的な耐力性能を満たさない場合 |
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保険 期間に 同じ |
雨水の浸入を防止する部分が基本的な防水性能を満たさない場合 |
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給排水管路が通常有すべき性能を満たさない場合 |
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住宅設備の機能が失われた場合 |
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外部鉄部が通常有すべき安全性を満たさない場合 (この事由は防錆工事の瑕疵に起因するものに限ります) |
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3年間 |
保険の対象となる部分
工事の対象部分が保険の対象となります。外部鉄部が保険の対象となるのは、防錆工事を行った場合に限ります。
構造躯体部分 | 基礎、基礎杭、壁、床版、屋根版といった住棟の積載荷重等を 支える部分 |
雨水の浸入を防止する部分 | 屋上や外壁、その開口部の建具のほか、雨水用の排水管のうち 住棟内を貫通している部分 |
給排水管路 | 敷地内に設置する給水管や給湯管、排水管等の管路 (水道事業者等が管理する部分や設備機器に関わる部分は対象外です) |
住宅設備 | 敷地内に設置する給排水設備、電気設備、ガス設備、消防設備、機械設備等の設備 (管理組合が維持管理をしない設備や、電力やガス等の供給者が管理する設備は対象外です) |
外部鉄部 | バルコニーやテラス、屋上の手すりや柵、共用階段等の鉄部 |
注文者による直接請求
この保険の被保険者は大規模修繕事業者ですが、次のような場合は注文者が保険金を請求できます。
- 事故の発生時に大規模修繕事業者が倒産している場合
- 事故の発生後、相当の期間を経過しても大規模修繕事業者が修補等を行わない場合
- ※③の修補等は、注文者が選定した代替事業者が行います。
支払対象となる費用と一事故あたりの限度額
直接修補費用 | 材料費や労務費等の、住棟を原状回復させるために直接必要となる費用 | 一事故あたりの限度額なし |
調査費用 | 修補範囲や方法を特定するための費用 | 直接修補費用の10 % (最低10 万円で上限200 万円) |
仮住まい・転居 費用 |
住棟の居住者が修補期間中に仮住まいを余儀なくされた場合の、仮住まいや転居に必要となる費用 | 50 万円/戸 |
その他 | 事故に関する紛争を解決するために必要な争訟 費用や第三者に対する請求権の保全費用 |
一事故あたりの限度額なし |
支払保険金の計算式
(支払対象となる修補費用等 - 免責金額(10 万円))× 縮小てん補(80 %) + 調査費用 + 仮住まい・転居費用
- ※注文者の直接請求の場合は、縮小てん補を適用しません。
主な免責事由
故意・重過失により生じた損害 | 被保険者である大規模修繕事業者や、被保証者である注文者等の故意や重大な過失を原因とする 損害 |
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外来の事由等 により生じた損害 |
外来の事由や天変地異 |
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地盤沈下等 |
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経年劣化等 |
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不適切な維持管理 |
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保険の対象とならない 損害 |
家財への波及損害等 |
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住宅設備の事故の波及 損害 |
住宅設備の事故に起因するその他の設備や住棟の損壊 | 事業者が責任を負わない瑕疵に起因する損害 | 注文者に起因する瑕疵 | 不適当と指摘を受けたうえで注文者が採用した 設計施工や資材の瑕疵 |
締結後の改修工事の瑕疵 | 保険契約の締結後に行われた修補を含む工事の 瑕疵 |
紛争処理に関するサービスの利用
大規模修繕事業者と注文者は、大規模修繕工事に関するトラブルが発生した場合に次のサービスを利用できます。
電話相談 | 住まいるダイヤルを利用して、一級建築士の資格を持った相談員に相談できます。通常窓口はナビダイヤルですが、保険付き住宅専用のフリーダイヤルを利用できます。 |
専門家相談 | 弁護士と建築士に対面で相談できる事前予約制のサービスを利用できます。(相談時間は1時間で、原則無料) |
紛争処理 | 住宅紛争審査会による裁判外の紛争解決手続き(ADR)を利用できます。手続きは「あっせん」、「調停」、「仲裁」から選択できます。 |
保険の申込手続き
保険の申込手続きの流れ
保険の申込みは着工のタイミングで行います。保険証券は現場検査の適合後に発行されます。
保証と保険の概要説明
大規模修繕事業者は「概要説明書」を使用して注文者に保証の概要と保険の内容のうち注文者に関わる部分の説明を行い、契約内容確認シートに記名押印を取り付けます。概要説明は請負契約のタイミングで行うことを推奨します。
注文者への説明は、ハウスジーメンのホームページで公開している「概要説明動画を利用して行うことができます。概要説明動画には、「概要説明書」の右上の二次元バーコードから直接アクセスすることができます。
保険の申込み
保険の申込みは、着工のタイミングでハウスジーメンのポータルサイトから行います。申込みは、現場検査の日程調整に支障のない時期であれば着工後になっても構いません。
現場検査
ハウスジーメンは工事完了後(足場を敷設する場合はその撤去前)に現場検査を行い、施工状況を確認します。
保険の対象となるその他の工事と合わせて 給排水管路や住宅設備の更新や新設を行う場合 |
該当工事のうちいずれかの工事の完了時 |
耐震改修工事等の 住棟の構造耐力性能に関わる工事を行う場合 |
該当工事のうち最下階の工事の完了時 |
保証書の交付
大規模修繕事業者は注文者に「保証書(指定書式)」を交付します。申込みの受理時に手続きで使用する保証書をハウスジーメンから提供しますので、申込みまでに保証書を作成している場合を除き、提供を受けたものを使用してください。
保険証券の発行
現場検査への適合後に保険証券を発行します。
WEB証券 |
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- ※手続きに不備がある場合は、「保険証券」は不備解消後の発行となります。また、大規模修繕事業者がハウスジーメン所定の与信条件を満たさない場合は、保険証券の発行は保険料の支払いの確認後となります。
事業者登録
この保険を利用するには大規模修繕事業者登録が必要です。
大規模修繕事業者が建設業許可を受けていない場合は、次のいずれかの要件を満たして、大規模修繕工事の遂行能力があることが認められることが登録の要件となります。
大規模修繕工事の業務実績 (いずれか) |
過去2年間に5件以上の業務実績があること |
2年以上の期間に5件以上の業務経験のある経験者が在籍していること |
- ※構造躯体の新設や撤去を伴う大規模修繕工事を行うことを前提とする場合は、建設業許可が必須です。
大規模修繕事業者登録は有償で、所定の手数料が掛かります。また、登録の有効期間は1年間で、満了後に登録を継続するためには更新手続きが必要です。
提出書類
申込時の提出書類は以下のとおりです。
共通 (施工図面等を作成しない場合は、★の書類は提出する 平面図と立面図に工事内容を記載することで構いません) |
現地案内図 |
平面図と立面図 | |
★工事の対象箇所と内容が分かる施工図面等の資料 | |
請負契約書類 | |
契約内容確認シート (指定書式) |
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構造耐力性能に関わる工事を行う場合に必要となる書類 | 新耐震診断基準等を満たしていることが確認できる書類 |