既存住宅かし保険(宅建業者販売)

既存住宅かし保険(宅建業者販売)

保険の概要

買取再販住宅を販売する際に、買主に住宅の基本構造部分の瑕疵を保証する宅建業者が加入する既存住宅かし保険です。

特約で給排水管路や、給排水設備等の住宅設備、引渡前に行うリノベーション工事の瑕疵を保険の対象にできます。

宅建業者が行うリノベーション工事の瑕疵を保険の対象とする保険契約を「リフォーム担保型」といいます。

この保険は竣工から1年超経過後に販売される建売住宅や分譲マンションの住戸についても引受けの対象としています。

被保険者と保険のスキーム

保険の
タイプ
被保険者・スキーム
基本買主に対して、ハウスジーメン所定の保証書で販売する住宅の基本構造部分の瑕疵を保証する登録宅建業者

このスキームではリノベーション工事の瑕疵を保険の対象としないため、工事の施工者を問いません。

リフォーム担保型買主に対して、ハウスジーメン所定の保証書でリノベーション工事の瑕疵を含めて販売する住宅の瑕疵を保証する登録宅建業者

このスキームでは、リノベーション工事の施工者は登録リフォーム事業者に限ります。

  • 宅建業者が自らリノベーション工事を施工する場合
  • リノベーション工事を宅建業者以外の者が施工する場合

保険の種類(共同住宅の場合)

戸単位
タイプ
分譲マンションの一住戸の買取再販のように、住棟内の一住戸の販売を対象とする保険契約をいい、対象住戸に特化した現場検査を行います。住棟タイプと比べて補償範囲に制限があります。
住棟タイプ一棟リノベのような同一住棟の複数の住戸の販売を対象とする保険契約をいい、住棟全体の現場検査を行います。

保険契約の内容

保険の対象となる住宅

新耐震基準等を満たす住宅

保険期間

住宅の引渡日から5年間または2年間

保険金額(支払限度額)

保険期間5年 1,000 万円
保険期間2年 1,000 万円 または 500 万円

保険事故と担保期間

住宅の基本構造部分の瑕疵が原因で事故が発生した場合に、修補等に必要となる費用を対象に保険金を支払います。
(★は戸単位タイプでは対象にできません)

区分保険事故保険事故の
具体的事象
担保
期間
標準構造躯体部分が基本的な耐力性能を満たさない場合
  • 梁や床版のたわみ・傾斜
  • 基礎の不同沈下
保険
期間に
同じ
雨水の浸入を防止する部分が基本的な防水性能を満たさない場合
  • 屋根からの雨漏れ
  • ベランダ・窓廻りからの雨水浸入
オプション給排水管路が通常有すべき性能を満たさない場合
(共同住宅の取扱い等について下記参照)
  • 排水管路からの漏水
  • 汚水管の勾配不足による詰まり
★住宅設備の機能が失われた場合
  • 取付不良による電気設備の機能停止
  • 取付不良によるガス管の機能停止
リノベーション工事を実施した部分が通常必要とされる性能を満たさない場合
  • トイレの取付不良による不具合
  • 施工不良によるクロス等の剥がれ
2年または1年

共同住宅における損害の取扱い

専有部分に生じた損害は通常は付保住戸に生じた損害のみ対象となりますが、給排水管路の事故については「保険付保住戸以外の住戸に及んだ波及損害」を担保するための「他住戸波及損害担保型」の特約があります。

共用
部分
共用部分全体の損害が対象。保険金は住棟の専有部分全体に対する付保部分の面積割合に応じた金額が支払われます。
住戸等
(専有部分)
通常は付保住戸に生じた損害のみ対象で、付保住戸以外の住戸に生じた損害は保険金の支払の対象となる損害にはなりません。
ただし、「他住戸波及損害担保型」の給排水管路担保特約を付帯した場合は、給排水管路の事故に限り、階下や隣接する住戸に及んだ波及損害も対象として扱います。

買主による直接請求

この保険の被保険者は宅建業者ですが、次のような場合は買主が保険金を請求できます。

  • 事故の発生時に宅建業者が倒産している場合
  • 事故の発生後、相当の期間を経過しても宅建業者が修補等を行わない場合
  • ※修補等は買主が選定した代替事業者が行います。

保険の対象とすることができる住宅の部分

基本構造部分
構造躯体部分基礎、壁、柱、小屋組、筋交い、床版、梁等の住宅の積載荷重等を支える部分
雨水の浸入を防止する部分屋根と外壁、その開口部の建具のほか、雨水用の排水管のうち屋内を貫通している部分
給排水管路
  • 住宅の敷地内に設置されている給水管、給湯管、排水管、汚水管
  • 戸単位タイプでは付保住戸内に設置されている給排水管路等のうち、区分所有者が管理するものです。
住宅設備 住宅の敷地内に設置された次の設備
給排水設備受水槽、揚水ポンプ、高置水槽、電気温水器、雑排水ポンプ、湧水排水ポンプ、汚水ポンプ、ます
電気設備変圧器、受配電盤、制御・監視盤、継電器盤、継電器(リレー)、計器用変成器、開閉器(スイッチ)、碍子、碍管、保護装置、支持フレーム、母線、配線、照明器具、換気設備
ガス設備共用ガス管(ガスメーターは対象外)
  • ※共同住宅では共用部分に設置されたものが対象です。

お支払いする保険金の範囲と一事故あたりの限度額

直接修補費用材料費や労務費等の、住宅を原状回復させるために直接必要となる費用一事故あたりの限度額なし
調査費用修補範囲や方法を特定するための費用直接修補費用の10 %
(最低10 万円で、
上限は戸建住宅50 万円、
共同住宅200 万円)
仮住まい・転居
費用
住宅の居住者が修補期間中に仮住まいを余儀なくされた場合の、仮住まいや転居に必要となる費用50 万円/戸
その他事故に関する紛争を解決するために必要な争訟費用や第三者に対する請求権の保全費用一事故あたりの限度額なし

支払保険金の計算式

(支払対象となる修補費用等 – 免責金額(10 万円))× 縮小てん補(80 %) + 調査費用 + 仮住まい・転居費用

  • ※買主の直接請求の場合は、縮小てん補を適用しません。

主な免責事由

故意・重過失により生じた損害被保険者である宅建業者や、被保証者である買主等の故意や重大な過失を原因とする損害
外来の事由等
により生じた損害
外来の事由や天変地異
  • 洪水、台風、暴風雨、たつ巻、豪雨等の自然
    災害
  • 火災、落雷、爆発等の外来の事由
  • 地震または噴火、これらに起因する津波
地盤沈下等
  • 土地の沈下や、隆起、移動、振動、土砂崩れ等の事象
  • 土地造成工事の瑕疵
経年劣化等
  • 虫食いやねずみ食い、住宅の性質による結露
  • 住宅の自然の消耗(経年劣化)や、さび、
    かび、腐敗等の事象
不適切な維持管理
  • 住宅の著しく不適正な使用や維持管理
家財への波及損害等
  • 住宅以外の家財が壊れたことによる損害
  • 住宅や家財等が使用できなくなったことによる損害
事業者が責任を負わない瑕疵に起因する損害買主に起因する瑕疵不適当と指摘を受けたうえで買主が採用した設計施工や資材の瑕疵
締結後の改修工事の瑕疵保険契約の締結後に行われたリフォーム工事
(修補を含む)の瑕疵

紛争処理に関するサービスの利用

宅建業者と買主の間で住宅に関するトラブルが発生した場合には、次のサービスを利用できます。

電話相談住まいるダイヤルを利用して、一級建築士の資格を持った相談員に相談できます。通常窓口はナビダイヤルですが、保険付き住宅専用のフリーダイヤルを利用できます。
専門家相談弁護士と建築士に対面で相談できる事前予約制のサービスを利用できます。(相談時間は1時間で、原則無料)
紛争処理住宅紛争審査会による裁判外の紛争解決手続き(ADR)を利用できます。手続きは「あっせん」、「調停」、「仲裁」から選択できます。

紛争処理等の詳細はこちらから

瑕疵と経年劣化について

  • ・住宅には年数や環境に応じた経年劣化が生じますが、経年劣化は瑕疵ではありません。経年劣化を原因する事象は保険の対象とはならないため、メンテナンスの実績が確認できない住宅の再販を行う場合は、築年数に応じたメンテナンス工事を行うことを推奨します。
  • ・現場検査では、目視できる範囲に生じているコーキングの破断、雨染み等の顕在化している不具合事象の有無を確認しますが、経年劣化が生じていないなど、住宅のコンディションの評価は行いません。

保険の申込手続き

保険の申込手続きの流れ

保険の申込みは引渡前に行い、引渡日が確定したら引渡日を通知します。 「保険証券」通知を受けて発行します。

  • ・申込時に「買主と引渡日」を告している場合は、「保険証券」の発行に引渡日の通知は不要です。

保険の申込み

保険の申込みは引渡前にハウスジーメンのポータルサイトから行います。リフォーム担保型の保険契約で、リノベーション工事で新設・撤去工事を行う場合に限り、リノベーション工事の着工前の申込みが必要です。

現場検査

  • 現場検査の実施時期

ハウスジーメンは買主への引渡前に現場検査を行い目視や計測の方法で住宅の現況を確認します。

現場検査における留意点

木造と鉄骨造の住宅では、現場検査で床下と小屋裏について、点検口からの確認が必要となり、点検口が無い場合は現場検査を適合とすることができませんので、点検口が無い場合は事前に点検口の用意が必要となります点にご留意ください。

必要となる点検口確認内容例外
床下点検口点検口からの床下の確認土間床にしているなど床下にスペースが
ない住宅
小屋裏点検口点検口からの小屋裏の確認勾配天井などの小屋裏がない住宅
  • 住戸内に立ち入っての検査について(共同住宅の場合)

共同住宅についても、保険のタイプと住宅の規模に応じて所定の住戸に立ち入っての検査が必要となります。

戸単位タイプ共通保険の対象となる住戸
住棟タイプ大規模共同住宅各階1以上の住戸
小規模共同住宅住棟内の全ての住戸
  • ※小規模共同住宅には階数3以下で延べ床面積が500 ㎡未満の共同住宅が、大規模共同住宅には小規模共同住宅に該当しない階数4以上の住宅と、階数3以下で延べ床面積が500 ㎡以上の共同住宅がそれぞれ該当します。
  • 非破壊検査機器を使用した検査の実施について
戸建住宅
小規模共同住宅
共通原則として非破壊検査機器を使用した現場検査は実施
しませんが、現場検査で基礎に不具合が発見された
場合は、追加で基礎の鉄筋探査が必要となります。
RC造の大規模共同住宅戸単位タイプ最下階とその1つ上の階(またはその代替箇所)で
コンクリート圧縮強度試験を行いますが、1999年5月
以降に建築確認を受けた住宅は省略が可能です。
住棟タイプ最下階とその1つ上の階、最上階、3に7を足していった階(10 階、17階…)で鉄筋探査とコンクリート圧縮強度試験を行いますが、次の住宅は省略が可能です。
  • 1999年5月以降に新築工事に関する建築確認を受け、検査済証が交付された住宅
  • 新築時に建設住宅性能評価書の交付を受けた住宅
  • ※小規模共同住宅には階数3以下で延べ床面積が500 ㎡未満の共同住宅が、大規模共同住宅には小規模共同住宅に該当しない階数4以上の住宅と、階数3以下で延べ床面積が500 ㎡以上の共同住宅がそれぞれ該当します。
  • リフォーム担保型の保険契約の取扱い
リフォームに対する現場検査引渡前の現場検査の際に合わせて、リフォーム工事の施工状況を確認します。
工事内容による追加検査構造躯体や屋根・外壁の防水紙の新設や撤去、交換を行う場合は、そのうちの
いずれかの工事の完了時にも現場検査を行い、施工状況を確認します。
  • 現場検査の特例

宅建業者が申込前に次のいずれかの者に委託して住宅の検査を行っている場合は、その検査を利用して現場検査を省略できます。ただし、この取扱いの適用を受けることができるのは、既存住宅状況調査技術者の資格者が、ハウスジーメンの検査マニュアルに従って検査を行っている場合に限ります。

  • ハウスジーメンの現場検査の受託検査機関
  • ハウスジーメンの登録検査会社
  • ※検査特例の適用を受けるためには、事前の申請が必要です。
  • その他の取扱い
瑕疵保険検査適合証の
発行サービス
宅建業者が希望する場合には、安心R住宅制度で使用する「瑕疵保険適合証」を有償で発行します。
検査適合後にリフォーム等を
行った場合の取扱い
現場検査に適合してから引渡しまでの間にリフォーム工事が行われた場合や
巨大災害が発生した場合は、現場検査を追加で行います。
現場検査等の有効期間住宅が有効期間の経過後に引き渡される場合は、現場検査を改めて実施する
必要があります。
下記以外の検査1年間
(RC造の共同住宅に限り2年間)
鉄筋探査・コンクリート圧縮強度試験20 年間

保証と保険の概要説明

宅建業者は、「概要説明書」を使用して買主に保証の概要と保険のうち買主に関わる部分の説明を行い、契約内容確認シートに記名押印を取り付けます。
概要説明は売買契約の締結のタイミングで行うことを推奨します。

  • 保証と保険の概要説明には、ハウスジーメンのホームページで公開している概要説明動画を利用できます。
  • 概要説明動画には、「概要説明書」右上の二次元バーコードからスマートフォン等で直接アクセスできます。

保証書の交付

宅建業者は、「保証書(指定書式)」の原本を買主に交付します。保険の申込みの受理時に手続きで使用する保証書をハウスジーメンから提供しますので、申込みまでに保証書を作成している場合を除き、提供を受けたものを使用してください。

引渡日の通知

宅建業者は住宅の引渡日が確定したら引渡日を通知します。ハウスジーメンは通知を受けて「保険証券」を発行します。
例外として、申込時に「買主と引渡日」を申告している場合「保険証券」 の発行に引渡日の通知は不要です。

WEB証券
  • 宅建業者が希望する場合は、保険証券をポータルサイト上でWEB証券として発行します。
  • 郵送に要する時間を待たずに発行後すぐに保険証券と付保証明書を受け取れます。
  • 保険証券は、保険期間中いつでもポータルサイトから閲覧できます。
  • 買主に提供する付保証明書は、ダウンロードした電子ファイルでもOKです。
  • ※手続きや現場検査に不備がある場合は、「保険証券」は不備解消後の発行となります。また、宅建業者がハウスジーメン所定の与信条件を満たさない場合は、保険証券の発行は保険料の支払いの確認後となります。

保険申込事前検査(事前インスペクション)

  • ・住宅の売主となる登録宅建業者と住宅の売買を仲介する登録宅建業者は、保険申込事前検査を利用することができます。
  • ・保険申込事前検査は、保険の申込手続きから現場検査を切り離して事前に適合状況を確認するためのもので、この検査でも安心R住宅で使用する「瑕疵保険適合証」の発行が可能です。
  • ・保険申込事前検査では、住宅に既存住宅かし保険(個人間売買)の検査会社コースにおける検査会社検査と同内容の検査が行われており、同コースにおける検査特例の要件を満たす場合には、その検査をもって事前検査に代えることが認められています。

事業者登録

  • 宅建業者登録

この保険を利用するには宅建業者登録が必要です。宅建業者登録は登録申請書に宅建業免許証を添付して行います。

  • リフォーム事業者登録

リフォーム担保型の保険契約で保険の対象となるリフォーム工事を施工するにはリフォーム事業者登録が必要です。宅建業者自身が工事を行う場合も同様です。
建設業許可を持たない住宅事業者がリフォーム事業者登録を受けるには、次のいずれかの要件を満たして、リフォーム工事の遂行能力があることが認められることが必要です。

新築工事またはリフォーム工事の業務実績
(いずれか)
過去2年間に5件以上の業務実績があること
2年以上の期間に5件以上の業務経験がある常勤の経験者が在籍していること

宅建業者登録とリフォーム事業者登録は有償で、所定の手数料が掛かります。また、登録の有効期間は1年間で、満了後に登録を継続するためには更新手続きが必要です。

申込手続きにおける提出書類

申込時の提出書類は以下のとおりです。引渡日の通知のタイミングで不足書類(★の付いた書類)を提出してください。

共通現地案内図
平面図、立面図等の図面
★売買契約書
★契約内容確認シート
(指定書式)
新耐震診断基準を満たしていることが確認できる書類
オプション非破壊検査機器に
よる検査を
省略する場合
検査省略の要件を満たすことが確認できる資料
性能評価付き
住宅の場合
建設住宅性能評価書
検査委託による
検査特例を
利用する場合
状況調査技術者の資格者証
リフォーム担保型の場合工事内容申告書(指定書式)
工事内容を記載した平面図、立面図等の図面

非破壊検査機器による検査を省略する場合に提出する「検査省略の要件を満たすことが確認できる資料」は、保険のタイプに応じて次のとおりです。

戸単位タイプ確認済証等の資料1999年5月以降に建築確認を受けたことが確認できるもの
住棟タイプ
(いずれか)
検査済証等の資料1999年5月以降に新築工事に関する建築確認を受け、
検査済証が交付されたことが確認できるもの
建設住宅性能
評価書
新築時に交付されたもの
  • ※住棟タイプでコンクリートの圧縮強度試験を含めて非破壊検査機器による検査を省略する場合は、上記の資料に加えて「新築時のコンクリートの圧縮強度試験実施方法が確認できる資料」の提出が必要です。
お問合せ先

ハウスジーメン 受付センター

TEL 03-5408-8486