個人間売買(仲介事業者コース)
保険の概要
宅建業免許を持たない方が所有する住宅※を売却する際に、売買を仲介し、買主に住宅の基本構造部分の瑕疵を保証する宅建業者が加入する保険です。
- ※新耐震基準を満たしている住宅に限ります。
特約により給排水管路や、給排水設備等の住宅設備、引渡後に買主が行うリフォーム工事の瑕疵を保険の対象とすることができます。
買主が行うリフォーム工事の瑕疵を保険の対象とする保険契約を「引渡後リフォームタイプ」といいます。なお保険の対象とできるリフォーム工事は原則として引渡から6ヶ月以内に完了するものに限ります。
被保険者と保険のスキーム
瑕疵保険の タイプ |
被保険者・スキーム |
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基本 |
売渡住宅の売買を仲介し、当社所定の保証書により買主に瑕疵を保証 する登録宅建業者。 仲介業務は元付け・客付けを問いません。 |
引渡後 リフォームタイプ |
売渡住宅の売買を仲介し、当社所定の保証書により買主に瑕疵を保証し、リフォーム工事に対しても瑕疵担保責任を負う登録宅建業者
次の事業者が連名被保険者となります。
工事完了後は上記の分担でそれぞれの事業者が連帯せずに保証を行います。 |
- ※現況検査の不備を引渡後に是正する場合も同様のスキームとなり、是正工事を宅建業者以外の者が施工する場合は連名被保険者となります。
保険の種類
- 共同住宅の場合
戸単位 タイプ |
分譲マンションのオーナーチェンジのような住棟内の一住戸を対象とする保険契約をいい、住戸単位の現場検査を行います。付帯できる特約や保証の対象とできる範囲に制限があります。 |
住棟タイプ | 賃貸物件のオーナーチェンジのような複数住戸の一括売却のように同一住棟の複数の住戸を対象とする保険契約をいい、住棟単位の現場検査を行います。 |
保険契約の内容等
保険期間と保険金額
保険 期間 |
住宅の引渡日から5年間、2年間または1年間 |
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保険 金額 |
1,000 万円または500万円 | 保険期間5年間の場合は1,000万円のみ選択できます |
保険の対象
対象住宅の基本構造部分の隠れた瑕疵に起因して事故が発生し、被保険者が保証責任の履行として修補等を行う場合に保険金を支払います。保険の対象と担保期間は次のとおりです。
(★は戸単位タイプでは対象にできません。)
区分 | 保険の対象 | 事故の 具体的事象 |
担保 期間 |
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標準 | 構造耐力上主要な部分が基本的な耐力性能を満たさない場合 |
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保険 期間に 同じ |
雨水の浸入を防止する部分が基本的な防水性能を満たさない場合 |
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オプション | 給排水管路が通常有すべき性能または機能を満たさない場合 (共同住宅の取扱い等について下記参照) |
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同上 |
★給排水設備、電気設備またはガス設備の機能が失われた場合 |
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同上 | |
基本構造部分以外のリフォーム工事の実施部分が社会通念上必要とされる性能を満たさない場合 |
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2年間または1年間 |
共同住宅における損害の取扱いと給排水管路の事故による他住戸への波及損害を担保するオプションについて
共同住宅の場合は共用部分に発生した損害と専有部分に生じた損害で取扱いが異なります。標準の特約で「給排水管路の事故により保険付保住戸以外の住戸に及んだ波及損害」は担保されませんが、「他住戸波及損害型」の特約を付帯することで保険の対象として取り扱うことができます。
発生 個所 |
区分 | 発生した損害の取扱い |
---|---|---|
共用 部分 |
共通 | 全ての損害が対象 (保険金は専有部分全体に対する付保部分の面積割合に応じた額が支払われます。) |
住戸等 (専有部分) |
標準 | 付保部分に生じた損害のみ対象 |
オプション | 上記の損害に加え、階下や隣接する住戸に及んだ波及損害も対象とすることができます。 |
買主による直接請求
事故発生時に宅建業者が倒産している場合や、事故の発生後、相当の期間を経過しても宅建業者が修補等を行わない場合は買主が保険金を請求できます。
- ※修補等は買主が選定した代替事業者が行います。
保険の対象とすることができる住宅の基本構造部分等
部位 | 具体的な 部位等 |
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基本構造部分 |
次の部位をいいます。
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給排水管路 |
対象となる給排水管路は、戸単位タイプとそれ以外の保険の対象により異なります。
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給排水 設備 電気設備 ガス設備 |
対象住宅の敷地内に設置された次の部位をいいます。
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保険付保証明書の税の証明書類としての利用について
築20 年(耐火建築物は築25年)超の中古住宅を取得する場合に住宅ローン減税等の各種税制優遇措置を受けるためには、耐震基準を満たしていることの証明書類の必要となりますが、保険証券の交付申請を受けた際に買主向けに発行するこの保険の保険付保証明書を証明書類として利用することできます。
建築確認日が新耐震以降であれば、保険の利用にあたり原則として現行の耐震基準への適合性の確認は不要です。また、現行の耐震基準の施行前に建築確認を受けた住宅の場合も、耐震基準適合証明書の取得と比べて利用しやすいものとなっています。保険付保証明書を税の証明書類として利用できる税制優遇措置は以下のとおりです。
- ・住宅ローン減税
- ・不動産取得税の軽減措置
- ・住宅取得を対象とした贈与税の非課税措置の特例
- ・移転登記や抵当権設定登記に対する登録免許税の軽減措置
- ※取扱いの詳細は、所管の税務署にお問い合わせください。
- ※引渡後に現場検査に適合して保険に加入する場合は、保険加入時点で手続きが完了している優遇措置は受けることができない、耐震基準を満たさない住宅を取得する場合に限るなどの制約があります。
お支払いする保険金の範囲と一事故あたりの限度額
区分 | 内容 | 限度額 | 免責金額 | |||
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修補 費用 |
原状復帰に要する直接修補費用 | 5万円 | ||||
調査 費用 |
事故の発生部位や 修補範囲・方法を 特定するための調査費用 |
修補費用の10 %(10万円未満の場合は10万円)で住宅ごとの上限金額は次のとおり
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仮住まい 転居費用 |
対象住宅の居住者が補修工事のために余儀なくされた仮住まい・転居費用 | 50 万円/戸 | ||||
その他 | 事故を解決するために必要な争訟費用や第三者に対する請求権の保全費用 |
主な免責事由
区分 | 具体的事由 | ||||||||||||||||
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故意・重過失 により生じた損害 |
保険契約者(被保険者)、売主、買主等の故意や重大な過失によって生じた損害には保険金を支払いません。 | ||||||||||||||||
外来の事由等 により生じた損害 |
次の事由により生じた損害には保険金を支払いません。
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住宅以外の財物に生じた損害 | 対象住宅以外の財物の毀損や対象住宅その他の財物の使用の阻害に対しては保険金を支払いません。 | ||||||||||||||||
事業者が責任を 負わない瑕疵に 起因する損害 |
次のいずれかの瑕疵に起因する損害(拡大した損害を含みます)に対しては保険金を支払いません
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隠れた瑕疵と対象住宅の経年劣化(自然の消耗)について
- ・住宅には年数や環境に応じた経年劣化(自然の消耗)が生じます。経年劣化は瑕疵ではなく経年により当然に生じるものです。
- ・経年劣化を原因する事象は保険の対象とはならないため、メンテナンス実績が確認できない住宅を購入する場合は、築年数に応じたメンテナンス工事を行うことを推奨します。
- ・現場検査では、目視できる範囲に生じているコーキングの破断、雨染み等の具体的な不具合事象の有無を確認しますが、経年劣化が生じていないなど、住宅全体の状態の評価は行いません。
保険の申込手続き
保険の申込み
保険の申込みは引渡前に行います。
保険の概要説明
宅建業者は、「概要説明書」を使用して買主にこの保険の概要の説明を行い、契約内容確認シートに記名押印を取り付け、「重要事項説明書」を手渡します。概要説明は売買契約の締結のタイミングで行うことを推奨します。
現場検査
当社は保険の引受けにあたり現場検査を行います。現場検査の実施時期は保険のタイプに応じて次のとおりです。
瑕疵保険のタイプ | 実施時期 | 現場検査の目線 |
---|---|---|
基本 | 引渡前 | 検査は当社の「既存住宅検査基準」に従って行います。 |
引渡後 リフォームタイプ |
引渡前(着工前) 工事完了後 |
工事完了後の現場検査では、リフォーム工事が当社の「リフォーム工事設計施工基準」に従って施工されていることを確認します。 |
-
売主の都合で引渡前に現場検査を行えない場合の取扱い
引渡しから2週間以内であれば、次の要件を全て満たす場合に引渡後でも現場検査を実施できます。
- ・買主の入居前であること
- ・家具の搬入前であること
- ・引渡後にリフォーム工事を行う場合は、その着工前であること
- 新設・撤去工事を行う場合の追加現場検査(引渡後リフォームタイプの場合)
リフォーム工事に次の部位の新設、撤去、交換のうちのいずれかの工事を含む場合は、引渡前と工事完了時に加え、当該工事の完了時にも現場検査を行います。
工事の種別 | 該当する工事の例 |
---|---|
構造耐力上主要な部分 | 筋交いの交換や、耐力壁の追加、柱の撤去など |
屋根または外壁の防水紙 | 屋根のルーフィングの交換や、外壁の防水紙の交換を含む壁材の交換など |
瑕疵保険検査適合証の発行サービス
申込者が希望する場合には、安心R住宅制度で使用する「瑕疵保険適合証」を有償で発行します。
保証書の交付
宅建業者は、買主に「保証書(指定書式)」の原本を買主に交付します。引渡後リフォームタイプでリフォーム事業者が連名被保険者となる場合は、リフォーム工事が完了するタイミングでリフォーム事業者の記名押印が必要です。
保険証券の発行
当社は、現場検査に適合後したら「保険証券」を発行します。ただし、申込時に「買主と引渡日」を申告していない場合は、保険証券の発行に「引渡日の通知」が必要です。通知は買主への引渡日が確定したタイミングで「引渡通知書」を使用して行います。「保険証券」の発行要件は次のとおりです。
- 提出書類が全て揃っていること
(引渡後リフォームタイプの場合は「提出書類」記載の「リフォームタイプの場合の追加提出書類」以外の提出書類) - 保険料の支払いが完了していること
対象リフォーム工事承認書の発行(引渡後リフォームタイプの場合)
当社は、工事完了後の現場検査への適合後に「対象リフォーム工事承認書」を発行します。
その他の取扱い
- 検査の適合後に住宅に変状を来した場合の取扱い
引渡前に現場検査に適合している場合で、引渡しまでに次の事由が発生した場合は、適合状態を維持しているか確認するため、現場検査を追加で行う必要があります。この検査では非破壊検査機器による検査を実施する必要はありません。
- ・対象住宅にリフォーム工事を行うなどの改変が加えられた場合
- ・対象住宅の所在地が特定非常災害特別措置法に基づき特定非常災害の指定区域となった場合
- ・その他、通常と異なる状態が生じたと当社が判断した場合
- 現場検査の有効期間
現場検査の有効期間は次のとおりです。有効期間を超過した場合は改めて現場検査を行う必要があります。
検査区分 | 住宅区分 | 有効 期間 |
---|---|---|
下記以外の目視・計測による検査 | 下記以外の住宅 | 1年間 |
鉄筋コンクリート造の共同住宅 | 2年間 | |
鉄筋探査機による鉄筋探査 リバウンドハンマーによるコンクリート圧縮強度試験 |
共通 | 20 年間 |
保険申込事前検査(事前インスペクション)
- ・この保険の申込みを予定する登録宅建業者は、保険の申込みを行うまでの間(売買契約の締結後でも構いません)は保険申込事前検査を利用することができます。
- ・この検査を利用することで、保険の申込手続きから現場検査を切り離して、事前に適合の可否を確認することができます。保険申込事前検査でも、申込者が希望する場合は安心R住宅で使用する「瑕疵保険適合証」の発行等を行います。
- ・保険申込事前検査では、対象住宅に検査会社検査と同内容の検査が行われており、検査特例の要件を満たす場合には、その検査をもって保険申込事前検査に代えることが認められています。
- 引渡前に売主がリフォーム工事を行う場合の取扱い
個人間売買ではあまり一般的ではありませんが、引渡前に売主がリフォーム工事を行う場合は、特約によりリフォーム工事の瑕疵を保険の対象とすることができます。この場合はリフォーム工事の施工者にかかわらず宅建業者が単独で保証し、被保険者となります。また、現場検査の実施時期は保険の対象とする工事の内容に応じて次のとおりです。
新設・撤去工事の有無 | 検査区分 | 着工前 | 施工中 | 完了後 |
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なし | 現場検査 | 〇 | ||
あり | 現場検査 | 〇 | 〇 |
保険の申込手続きの流れ
- 基本
保険の申込みは引渡前に行います。現場検査に適合したタイミングで提出していない書類がある場合は、不足書類を提出します。当社は、「保険の申込手続き」記載の発行要件を満たしていることを確認して「保険証券」を発行します。
引渡前に検査を行うことができる場合
引渡後に検査を行う場合
- ※申込時に「買主と引渡日」を申告していない場合は、買主への引渡日が確定したタイミングで、「引渡通知書」を使用して当社に「引渡日の通知」を行います。「保険証券」は、引渡日の通知を受けてからの発行となります。
- ※現場検査に適合しなかった場合でも、引渡しから6ヶ月以内に不備を是正することで保険に加入することができます。
- 引渡後リフォームタイプ
工事完了後の現場検査に適合したタイミングで提出していない書類がある場合は、不足書類の提出を行います。当社は提出書類が全て揃っていることを確認して「対象リフォーム工事承認書」を発行します。リフォーム事業者が連名被保険者となる場合は、宅建業者が事務幹事会社として申込手続きを行います。
工事前の検査で適合した場合
工事前の現場検査で適合しなかった場合は、「保険証券」は「対象リフォーム工事承認書」を発行するタイミングでの発行となります。
工事前の検査で適合しなかった場合
- ※申込時に「買主と引渡日」を申告していない場合は、買主への引渡日が確定したタイミングで、「引渡通知書」を使用して当社に「引渡日の通知」を行います。「保険証券」と「対象リフォーム工事承認書」」は、引渡日の通知を受けてからの発行となります。
事業者登録
この保険を利用するためには宅建業者登録を行わなければなりません。保険の対象となるリフォーム工事は登録リフォーム事業者が施工したものに限ります。宅建業者自身が工事を行う場合も同様です。登録申請の際には下記の提出書類のほか、当社が提出を求める書類を提出します。
宅建業者登録
登録要件 | 具体的な登録要件 | 提出 書類 |
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宅建業者であること | 宅建業免許を有すること | 宅建業の免許証 |
契約書類の具備 | 通常使用する住宅の売買契約書が定められていること | 通常使用する住宅の売買契約書 |
リフォーム事業者登録
登録要件 | 具体的な登録要件 | 提出 書類 |
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リフォームの遂行能力 (いずれか) |
建設業許可 | 建設業許可を有すること | 建設業許可書 |
リフォーム工事等の業務実績 (いずれか) |
新築工事またはリフォーム工事の業務実績があること (2年間に5件以上) |
業務経歴書 | |
新築工事またはリフォーム工事への従事実績のある経験者が在籍していること (2年以上かつ5件以上) |
経験者の名簿 |
- ※リフォーム事業者が増築特約の利用を前提とする場合は、業務実績として認められるリフォーム工事は増築工事に限ります。
申込手続きにおける提出書類
区分 | 書類名称 |
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共通 (★が付いた書類が申込みまでに準備できない場合は、引渡日の通知と合わせて提出します。) |
現地案内図 |
平面図、立面図等の図面 | |
★売買契約書 | |
★契約内容確認シート (指定書式) |
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★保証書 (指定書式) |
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新耐震診断基準を満たしていることが確認できる書類 | |
性能評価付き住宅の場合の追加提出書類 | 建設住宅性能評価書 |
リフォームタイプの場合の追加提出書類 (申込みまでに準備できない場合は、準備でき次第提出してください。) |
工事内容申告書 (指定書式) |
工事内容を記載した平面図、立面図等の図面 | |
請負契約書等の書類 |
- ※新耐震基準を満たしていることが確認できる書類は、戸単位タイプの場合は検査済証またはこれに代わる書類に限ります。